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焼戻しという作業は、基本的に焼入れと「対」に行う作業になります。 なので焼戻しだけを高周波で行う装置は少ないと思いますが、浸炭炉で全体の焼入れを行い、一部分もしくは、全体を焼戻し処理する事もあります。

焼入れによって金属の組織は、マルテンサイトになり固くなりますが そのぶん脆くなってしまいます。

例えばミシン針を考えてみますと、相手が布とはいえデニム生地であったりすると非常に硬いわけですが、生地を貫通するときは、硬さがないと途中で折れ曲がってしまいます。しかしミシンは針が刺さった状態で生地を送るので、針は生地と一緒に送られ曲がるわけですが、硬いだけだと生地が送られた瞬間ポッキリと折れてしまいます(もしくは、生地の針穴が広がってしまいます)。これでは使い物にならないのですが、ミシン針には硬さに加え靭性と言われる折れにくい粘り強さが必要と言うことです。この粘り強さを引き出すのに、焼戻しという作業を行うわけです。


 

ネジ部自動焼戻し装置

この装置は、ピニオンギアのネジ部を焼き戻す装置です。

手前のテーブルにピニオンギアをセットし、起動させることで ピニオンギアを2本ずつ装置内に取り込み、先端のネジ部分を焼戻します。焼戻し処置の終わったピニオンギアは、姿勢を変えて左側の自動歪み取り装置へ送られます。

歪取りの終わったピニオンギアは、ストッカーへ並べられ、自然冷却されます。